
A=スタブカット
B=ナチュラルターゲットカット
C=フラッシュカット
なぜBのナチュラルターゲットカットの位置で切るのが正解なのか
というか話です。
赤く塗った部分に注目です!
よく見ると赤色下側の部分は膨らんでいます。
実際の木でも
殆どこのような形状をしています(中には例外もあるようですが)
この部分は枝に繋がる組織と枝より上の幹に繋がる組織が混在しており、
枝のように見えるけど、実は幹でもあるんです。
因みにこの赤色の部分はブランチカラーと呼んでいます。
*ブランチカラーだったりスタブカットだったり横文字ばっかりですが、樹木医の学問は比較的新しい分野なので
多分日本名がついてないんでしょう。
ほんと歳とってから長ったらしい横文字覚えるのも大変で、
なんとかして欲しいって
思ってます(余談ですが 笑)
この図でもう少し説明します。

実は厳密な意味で本来の枝というのは、
青色のところになります。(胴吹き枝は違いますが・・たぶんです)
幹が細いときに枝の分化が始まり、
木の生長ととも枝と幹が太くなり
枝の付け根がだんだん幹の中心から離れていくのでこのような形態になるんです。
先ほど書いたように青の部分は本来の枝で、
枝のように見えるそれ以外の部分は、枝であり、幹であるという
両方の組織が混在している部分になります。
従って、もしフラッシュカット(緑の線でカット)をすると
枝を切っただけでなく、
幹の組織まで傷つけることになってしまいます。
そして幹が傷ついた赤色のところでは、
本来の枝の部分よりも病原菌(主に菌類)の侵入の危険性が増え
枯死、腐朽の危険にさらされてしまいます。
(枝の部分は病原菌が幹に侵入し難いような防御反応が起こるのです)
(枝の部分は病原菌が幹に侵入し難いような防御反応が起こるのです)
数年後、樹皮により切り口が覆われて塞がったとしても
時すでに遅し!
実は赤色のとこから菌が幹に侵入して内部が腐朽なんて事も
そんな風になっては
木としては困ってしまいます。
ただしこの度は
太い枝を落とす際の解説です。
もし鋸やチェンソーを使わずに剪定バサミで切れるような
胴吹の細い枝の場合には、それ程神経質にならなくても大丈夫でしょう。
フラッシュカットしても
切り口はすぐに塞がるでしょうし
樹木へのダメージも少ないと思います。
ただし細い枝でも
Aスタブカットはダメですよ。
なんてったって
景観上悪すぎます。
次回は
Aの位置、スタブカットがなぜダメか(見た目以外に)をお伝えします。
(基本、ブログは携帯で書いているので
長〜い文章は苦手
細切れですみません)
by みそ
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